司会者・ナレーターの文字べしゃり

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司会者・ナレーターとして、プロならではの話を紹介していきます!

ショーの最後、演者がハケる時に流す音楽『チェイサー』とは

「司会者のこだわり」第35弾です。

 

今回は何を教えてくれるのかな?

 

今回は『チェイサー』についてお話しします。

 

今回のポイント
  • 『チェイサー』とはハケる時の曲
  • 生演奏でしか使わない

 

チェイサー

業界用語

 

『チェイサー』??

 

『チェッサー』と言ったり、『チェーサー』と言ったりもします。

 

司会の用語なの?

 

司会と言うよりも、ショーで使う用語です。

今では、ほとんど使うこともない言葉ですね。

 

使わないの?

 

恥ずかしながら、私もこの業界に入って6年目にして、ようやく聞いた単語でもあります。

 

え!じゃあ、業界用語の中の業界用語じゃん!

 

言葉の意味は?どういう時に使うの?

 

説明していきましょう。

 

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使うタイミング

 

『チェイサー』は、使うタイミングが限られています。

生バンドがいるショーの時しか、使わない言葉なんです。

 

生バンド・・・。オーケストラとか?

 

私が現場で一緒になったのは、ギターにベースに、ドラムやピアノがいるバンドでした。

でも、オーケストラでも使える言葉かも知れません。

 

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ショーの最後に、演者が舞台からハケる時に鳴らす音楽のことを『チェイサー』と言います。

 

ショーの最後だけでしか流さないの?

 

何組も演者さんがいるショーであれば、その演者さんがハケる度に流してもいいかも知れません。

でも基本的には、メインの演者が終わる、最後の最後で流す音楽だと思ってもらって構いません。

 

なんで?

 

その方が、メインに箔が付くからです。

 

そもそも『チェイサー』は、ハケる演者を飾りつけるために、流す音楽です。

であれば、メインの演者だけに付ける方が、際立ちませんか?

 

なるほどね

 

まぁ、最終判断は司会者と主催者とバンマス(バンドマスター)で相談して決めます。

現場の判断で、より良い舞台を創っていきましょう。

 

ちなみに、ショーは歌だけではありませんから、歌手だけでなく、パフォーマーがハケる時にも使えます

歌手がいないのに生バンドが舞台に揃っていることはほとんどありませんから、滅多にそんな場面はありませんけどね。

前もって打ち合わせてない限り、出演者は必要ない時に舞台に上がらないのが普通です。

 

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名前の由来

 

なんで『チェイサー』って言うの?

 

英語で『chaser(チェイサー)』と言う言葉があります。

ご存じですか?

 

う~ん。知らないかも

 

ほら、お酒を飲む時に、口直しに飲む水のことを『チェイサー』と言うではありませんか。

 

お酒飲まないし……

 

元々は『chase(チェイス)』と言う言葉で、「追う」という意味があります。

よく映画でも見る「カーチェイス」が有名ですね。

 

あ!それなら聞いたことある!

 

それが人を指す言葉になったのが『chaser(チェイサー)』です。

「追う者・追撃者」という意味です。

 

人を意味していたんだ

 

舞台の場合は、人ではなく音楽ですけどね。

 

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ショーのイメージ

 

イメージしてください。

ショーが全て終わり、歌手が最後の曲を歌って、舞台袖にハケる場面です。

 

歌い終わってBGMがなくなり、お礼を言いながら袖に引っ込む歌手。

歌い終わった直後にフィナーレに相応しいBGMに見送られ、お礼を言って去る歌手。

 

華やかなのは、言うまでもなく後者ですよね?

 

それはもちろん・・・

 

そうだね

 

しかもショーは、司会者が最後に締めなければなりません。

『チェイサー』が鳴り終わったタイミングで司会者が「以上を持ちまして~」と入る方が、格好良くありませんか?

 

うん、格好良い!

 

演者のハケもショーの終わりも、何でも格好良くするのが、『チェイサー』のメリットでしょう。

 

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生音限定

 

言うまでもありませんが、『チェイサー』は生バンドがいないとできません

 

そうよね

 

あ、でも、それっぽいことできない?

 

どういうこと?

 

録音した音源でフィナーレの音楽を流せばいいじゃん!

 

もちろん、そのようにされる演者さんは多くいらっしゃいます。

ですが、それを『チェイサー』とは言いません。

 

そっかぁ

 

あくまでも、生音が重要ということです。

 

なぜ最近は使わない?

 

そもそも、なんで最近は『チェイサー』って言わないの?

 

それは、生バンド演奏のショーが、少なくなっているからです。

『チェイサー』という言葉を、使う機会が減っているんですね。

 

え~、少ないかなぁ?

 

テレビでよく見るよ!

 

生演奏にこだわる音楽番組もあります。

『のど自慢』なんかも、そうですね。

ですがそれもごく一部。

 

ショーも同じです。

こだわる方もいますが、基本的にはカラオケ音源。

なぜか?

 

急に言われても・・・!

 

う~ん。生バンドを用意できない・・・とか?

 

そう、用意できないんです。

 

あ、人がいないの?世の中、人材不足って言うし

 

いえ、単純にお金がかかるからです。

 

それは、裏事情すぎない・・・?

 

話すと長くなるので詳細は別の機会にしますが、昔はキャバレーでショーがたくさんありました。

結婚式でも、生バンド演奏でした。

 

へぇ~、そうなんだ

 

なぜかと言うと、昔はカラオケがなかったからです!

 

カラオケがなかったの!?

 

それが今では、お手軽なカラオケがある。

お金もそんなにかからず、音も悪くない。

であれば、ほとんどの主催者がカラオケを選びますよ

 

そう言われれば、確かに・・・

 

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まとめ

 

今回のポイント
  • 『チェイサー』とはハケる時の曲
  • 生演奏でしか使わない

 

『チェイサー』について、お分かりいただけたでしょうか?

 

よく分かったよ!

 

あるとないとじゃ、格好良さが違うのね!

 

じゃあ、僕にはいつも『チェイサー』をつけてね!

 

・・・は?

 

格好良くなるじゃん!

 

いや、アンタにいつ『チェイサー』をつけるタイミングがあるのよ

 

むしろ、僕自身が『チェイサー』になるよ!

 

マジ意味不明

 

あのー、盛り上がってるところ、申し訳ありません。

 

どしたの?

 

本来の英語では、『チェイサー』には「女の尻を追う男」って意味もあるんですよ。

 

・・・!!

 

ザマーミロ!

 

以上

「ショーの最後、演者がハケる時に流す音楽『チェイサー』とは」でした♪