語尾の空気が漏れてマイクに入らないようにトーンに注意!
今回は語尾についての特集です。
「~です」「~ます」の強弱に気をつけよう
語尾の「す」に気をつけよう!
いきなり言われても意味分からないよ~
失礼しました。
どういうことかと言うと、話す時に普段意識しないで使っている「~です」「~ます」の「す」の発声に気をつけようということなんです。
ふむふむ
これは司会の時だけでなく、ナレーションでも意識しないといけません。
具体的にはどういうことなの?
「~です」「~ます」の「す」が弱いと、声がマイクに乗り切らなくて、消えていってしまうんです。
専門用語で『飲まれる』とも表現します。
消えたら聞こえなくなるよ!
そうなんです。
消えてしまうと、ハッキリ間違った感じがしなくても、違和感が生じます。
文章が終わってないように感じて、聞いている人もなんとなく落ち着かなくなってくるんです。
じゃあ強く言えばいいんだね。「~です!」「~ます!」って
そうではありません。
強すぎると、「す」の時に息が出すぎて、マイクに空気の音が入ってしまいます。
ダメなの?
司会者はあくまでも自然に感じる喋りをしなくてはいけません。
マイクを通していても、目の前で話しているかのように、自然でないとならないのです。
へぇ~。こだわっているんだ
こだわりを紹介するブログですから!
ナレーションの時も、ブレスは基本的に入らないように気をつけます。
プロの音響さんがいれば、ある程度は編集で上手くできますけどね。
じゃあ「~です」「~ます」を言う時はどうするの?
強くも弱くもなく、ハッキリと聞こえるように発声します。
そんなのすぐにできないよ!
こればかりはマイクを通して喋る経験を積むしかありません。
ですが、腹式呼吸で発声方法を鍛えることにより、その微妙な調整も早く習得することができます。
マスターすれば、息を吸うときにもマイクにブレス音が入らなくって便利ですよ!
「~です」「~ます」の言い方に気をつけるね!
声のトーンに気をつけよう
もう1つ、話し終わる時に気をつけてもらいたいことがあります。
「す」の強さだけじゃないの?
司会者はただ話すだけでなく、何かを紹介しないといけません。
次に登場する歌い手。
次に行われる演目の詳細。
それは様々です。
明るいイベントだけでなく厳粛な場面もあります。
うんうん、そうだね。それで?
自然な喋りに聞こえるように気をつけると言いましたが、何かを紹介する時は舞台の進行が次に進みやすいように意識して喋ります。
言い方を変えて、観客が舞台の世界に入りやすいようにするんです。
具体的にはどういうこと?
文章の最後の部分を、声のトーンを変えて紹介するんです。
次が明るい歌の時は、語尾を上げるように「~です↑」と言います。
楽しい時には声の高さが上がりますよね?
そのイメージです。
なるほど。言われてみればそうだね!
普段喋っている時は自然とできているのに、意識して何かを紹介しようとすると、これがなかなかできないんですね。
会社のプレゼンでも応用できますから、意識して語尾を上げるようにしましょう!
語尾を下げることもあるの?
語尾を上げるのは声を高くするイメージでしたが、語尾を下げると言うのは、声を低くすることとは別の意味で使います。
声を低くしないのかな
言葉の最後をしっかりと丁寧に言い切ることによって、文章全体に落ち着きを出すんです。
式典や儀礼的なイベントでは、このように丁寧に言い切り、語尾を下げて雰囲気を出します。
小技が光るね
小技(笑)
大事なことなんですよ!
その他にも、厳粛な雰囲気を出しながら明るく紹介することもあります。
太鼓や演舞の紹介の時ですね。
丁寧に言い切りながら、語尾に勢いを出すんです。
使い分けるだけじゃなくて、複合技もあるんだね
<p
まとめ
今回は
- 「~です」「~ます」の言い方
- トーンの上げ下げ
の2つをご紹介しました。
このように、語尾の声量と言い方を意識するだけで、相手への届き方は変わるんです。
実生活でも試してみてください!
やってみるよ!
以上
「司会者のこだわり その4 語尾の話し方」でした♪
ショーの最後、演者がハケる時に流す音楽『チェイサー』とは
「司会者のこだわり」第35弾です。
今回は何を教えてくれるのかな?
今回は『チェイサー』についてお話しします。
- 『チェイサー』とはハケる時の曲
- 生演奏でしか使わない
チェイサー
業界用語
『チェイサー』??
『チェッサー』と言ったり、『チェーサー』と言ったりもします。
司会の用語なの?
司会と言うよりも、ショーで使う用語です。
今では、ほとんど使うこともない言葉ですね。
使わないの?
恥ずかしながら、私もこの業界に入って6年目にして、ようやく聞いた単語でもあります。
え!じゃあ、業界用語の中の業界用語じゃん!
言葉の意味は?どういう時に使うの?
説明していきましょう。
使うタイミング
『チェイサー』は、使うタイミングが限られています。
生バンドがいるショーの時しか、使わない言葉なんです。
生バンド・・・。オーケストラとか?
私が現場で一緒になったのは、ギターにベースに、ドラムやピアノがいるバンドでした。
でも、オーケストラでも使える言葉かも知れません。
ショーの最後に、演者が舞台からハケる時に鳴らす音楽のことを『チェイサー』と言います。
ショーの最後だけでしか流さないの?
何組も演者さんがいるショーであれば、その演者さんがハケる度に流してもいいかも知れません。
でも基本的には、メインの演者が終わる、最後の最後で流す音楽だと思ってもらって構いません。
なんで?
その方が、メインに箔が付くからです。
そもそも『チェイサー』は、ハケる演者を飾りつけるために、流す音楽です。
であれば、メインの演者だけに付ける方が、際立ちませんか?
なるほどね
まぁ、最終判断は司会者と主催者とバンマス(バンドマスター)で相談して決めます。
現場の判断で、より良い舞台を創っていきましょう。
ちなみに、ショーは歌だけではありませんから、歌手だけでなく、パフォーマーがハケる時にも使えます。
歌手がいないのに生バンドが舞台に揃っていることはほとんどありませんから、滅多にそんな場面はありませんけどね。
前もって打ち合わせてない限り、出演者は必要ない時に舞台に上がらないのが普通です。
名前の由来
なんで『チェイサー』って言うの?
英語で『chaser(チェイサー)』と言う言葉があります。
ご存じですか?
う~ん。知らないかも
ほら、お酒を飲む時に、口直しに飲む水のことを『チェイサー』と言うではありませんか。
お酒飲まないし……
元々は『chase(チェイス)』と言う言葉で、「追う」という意味があります。
よく映画でも見る「カーチェイス」が有名ですね。
あ!それなら聞いたことある!
それが人を指す言葉になったのが『chaser(チェイサー)』です。
「追う者・追撃者」という意味です。
人を意味していたんだ
舞台の場合は、人ではなく音楽ですけどね。
ショーのイメージ
イメージしてください。
ショーが全て終わり、歌手が最後の曲を歌って、舞台袖にハケる場面です。
歌い終わってBGMがなくなり、お礼を言いながら袖に引っ込む歌手。
歌い終わった直後にフィナーレに相応しいBGMに見送られ、お礼を言って去る歌手。
華やかなのは、言うまでもなく後者ですよね?
それはもちろん・・・
そうだね
しかもショーは、司会者が最後に締めなければなりません。
『チェイサー』が鳴り終わったタイミングで司会者が「以上を持ちまして~」と入る方が、格好良くありませんか?
うん、格好良い!
演者のハケもショーの終わりも、何でも格好良くするのが、『チェイサー』のメリットでしょう。
生音限定
言うまでもありませんが、『チェイサー』は生バンドがいないとできません。
そうよね
あ、でも、それっぽいことできない?
どういうこと?
録音した音源でフィナーレの音楽を流せばいいじゃん!
もちろん、そのようにされる演者さんは多くいらっしゃいます。
ですが、それを『チェイサー』とは言いません。
そっかぁ
あくまでも、生音が重要ということです。
なぜ最近は使わない?
そもそも、なんで最近は『チェイサー』って言わないの?
それは、生バンド演奏のショーが、少なくなっているからです。
『チェイサー』という言葉を、使う機会が減っているんですね。
え~、少ないかなぁ?
テレビでよく見るよ!
生演奏にこだわる音楽番組もあります。
『のど自慢』なんかも、そうですね。
ですがそれもごく一部。
ショーも同じです。
こだわる方もいますが、基本的にはカラオケ音源。
なぜか?
急に言われても・・・!
う~ん。生バンドを用意できない・・・とか?
そう、用意できないんです。
あ、人がいないの?世の中、人材不足って言うし
いえ、単純にお金がかかるからです。
それは、裏事情すぎない・・・?
話すと長くなるので詳細は別の機会にしますが、昔はキャバレーでショーがたくさんありました。
結婚式でも、生バンド演奏でした。
へぇ~、そうなんだ
なぜかと言うと、昔はカラオケがなかったからです!
カラオケがなかったの!?
それが今では、お手軽なカラオケがある。
お金もそんなにかからず、音も悪くない。
であれば、ほとんどの主催者がカラオケを選びますよ。
そう言われれば、確かに・・・
まとめ
- 『チェイサー』とはハケる時の曲
- 生演奏でしか使わない
『チェイサー』について、お分かりいただけたでしょうか?
よく分かったよ!
あるとないとじゃ、格好良さが違うのね!
じゃあ、僕にはいつも『チェイサー』をつけてね!
・・・は?
格好良くなるじゃん!
いや、アンタにいつ『チェイサー』をつけるタイミングがあるのよ
むしろ、僕自身が『チェイサー』になるよ!
マジ意味不明
あのー、盛り上がってるところ、申し訳ありません。
どしたの?
本来の英語では、『チェイサー』には「女の尻を追う男」って意味もあるんですよ。
・・・!!
ザマーミロ!
以上
「ショーの最後、演者がハケる時に流す音楽『チェイサー』とは」でした♪
役職や議員の呼び方、二重敬語に注意~時にはわざと間違える
今回は役職ある方を紹介する時の、敬語の表現についてお話しします。
- 役職ある人の呼び方
- 議員の呼び方
- 二重敬語
- わざと間違えることも大事
役職の呼び方
役職ってありますよね。
会長とか社長とか?
部長とか課長とか
司会で関わるのはイベントに来られる方が多いですから。
主に『会長』『社長』『委員長』『町長』などの役職の方と関わることが多いです。
その役職がどうかしたの?
その方たちをイベントの中で、来賓として紹介することがあります。
あるいは、お一言ご挨拶をいただくこともあります。
そんな時に、なんてお呼びしたら良いでしょう?
呼ぶって、なんか特別なことあるの?
普通に「○○さん」じゃダメ?
司会ですからね。
来賓でいらしている方の敬称が『さん』ではいけません。
じゃあ「○○様」って呼べばいいのかな?
それもいけません。
たしかに、人を紹介する時は基本的に、『様』で対応できる場面は多いです。
ですが、この場合はその役職ありきでお越しいただいているので、ちゃんと役職を言わなければいけません。
そうね。じゃあ「○○会長」って呼べばいいのかしら
そうです。
名前の後に役職を付けて呼ぶのが正解です。
この呼び方は、小学生のうちからクラスの「○○委員長」や「○○先生」などで、馴染み深いと思います。
確かに!言われてみれば先生のことを・・・
名前の後に『先生』って付けて呼んでた!
来賓挨拶の紹介
たとえば来賓としてお越しになられた『会長』よりご挨拶を頂く時は「『○○会長』よりご挨拶を頂戴します」と言います。
難しい言い方だね!
キチンとした敬語よね!
それでは、その後はなんて言いますか?
その後?
前回やってないよ?
「ご挨拶を頂戴します」とだけ言ってもいいのですが、「『○○会長』、よろしくお願いします」と付け加えてあげると、丁寧になりませんか?
そういうことか
丁寧になるわね
この時、直前に一度、役職でその方を紹介しています。
そしてこの「よろしくお願いします」は、その相手の方に直接話している言葉です。
そうだね
つまり、先ほど私は役職ありきでその人を呼んでいると説明しましたが、この場面で
「『○○様』、よろしくお願いします」
と言っても何もおかしくないということです。
『○○会長』でもいいんでしょ?
もちろん、どちらでも結構です。
このように、絶対に役職で呼ばなければならないというわけではないと、覚えておいてください。
議員の呼び方
上に挙げた役職の方以外にも、よく紹介することになるのが、議員の方達です。
議員って言うと・・・
『衆議院議員』とか、『参議院議員』とか?
他にも私が住んでいる北海道で言うと、『北海道議会議員』『市議会議員』『町議会議員』『村議会議員』などがいます。
上で役職の例に出した『町長』とかも同じ分類ですね。
選挙で選ばれた方達です。
その議員さんたちがどうかしたの?
その議員さん達の呼び方で、『先生』という敬称は聞いたことありませんか?
う~ん、ない・・・かなぁ?
私はあるわ!刑事ドラマとかで!
そう、政治家が出てるドラマでは、この『先生』という敬称は聞くことが多いです。
そうなんだ・・・
ですが、この『先生』は議員の誰にでも使えるわけではありません。
え?そうなの?
ドラマで見てるんじゃないの?
そんなの意識して見てないもん
そうですね。
直接関わることもありませんので、知らなくても無理はありません。
本来『先生』という敬称は『代議士』つまり『衆議院議員』にしか使いません。
そうなんだ
『代議士』って言葉もあんまり知らなかったけど
『代議士』とは『衆議院議員』の別名です。
つまり簡単に言うと、
日本の国政に関わる、トップ議員の呼び方が『先生』なんです。
じゃあ、他の『参議院議員』とかを『先生』って呼んだら間違いなの?
間違いです。
へぇ~、司会者はそういうことも気を付けないといけないんだね
とは言ってもですね。
間違いを承知で、あえて議員を『先生』と呼ぶこともあります。
え!間違いなのに!?
気を付けている意味ないじゃん!
もちろん式典では使い分けに気を付けます。
ですが楽しいイベントやお祭りとかであれば、そこまで肩ひじ張る張る必要もありません。
多少間違っていても、相手を立てる呼び方をするのに、何も問題ありません。
『代議士』でない議員の方達も、『先生』と呼ばれるのに慣れていますしね!
自分は間違っても、相手を立てるのね
二重敬語
もう一つ気を付けることがあります。
これは社会人であればよく聞くマナーではないでしょうか?
どんなこと?
「『役職』に『様』を付けない」ということです。
たとえば?
「○○先生様」や「○○会長様」と言う言い方は間違いです。
敬称が二つになってしまっているので、二重敬語となってしまっているのです。
二重敬語?
敬語にもルールがあって、一つのことに対する敬語は一度までと決まっているんです。
たとえば「お越しになられる」と言う言葉。
「『お』越しにな『られ』る」と、分ければ分かりやすいでしょう。
二つ敬語が重なってしまい、逆に不適切な敬語の使い方なのです。
多くなりすぎると、逆効果なんですね。
「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」か
難しい言葉知ってるじゃない
つまり「『お』越しになる」と言えば正解なのです。
話を戻しましょう。
最初の例の「○○先生様」は『先生』と『様』という敬称が二つあるので、間違いということが分かります。
司会者は二重敬語も気を付けて喋っているんだね
人前で話すんだもの
とは言っても、これも「議員のことを全て『先生』と呼ぶ」のと同じで、あえてそうすることもありますよ。
またわざと間違えるの?
今度も相手のため?
これは相手のためと言うより、場の雰囲気ですね。
お祭りやお笑い系のイベントであれば、「○○会長さん」と、フランクな言葉遣いで場を和ませるのに使います。
まとめ
- 役職ある人の呼び方
- 議員の呼び方
- 二重敬語
- わざと間違えることも大事
知らずに間違えていてはいけませんが、知っている人は正しく使うか、あえて間違って使うか、選ぶことができるんです。
司会者として、知識を蓄えた上で、話す言葉を選んで使うようにしましょう。
・・・
どうしたの?
・・・つまり間違えて怒られても、「知っててわざと間違えた」って言えばごまかせるんじゃない?
あ、あんた、本気で言ってるの?
よーし!間違いを気にしないで、自由に喋っていくぞー!
今回の内容を聞いた意味が全然ないじゃない・・・
以上
「役職や議員の呼び方、二重敬語に注意~時にはわざと間違える」でした♪
初めまして&お久しぶりのご挨拶
ご挨拶
皆さま初めまして!
以前からブログを見ていてくださった方はお久しぶりです!
2019年9月8日からブログを書き始め、2020年9月7日まで毎日更新し続けておりました。
今までは色々なジャンルの話をしていたのですが、一つのテーマでより深く話していくために、この度新たに「司会者・ナレーターの文字べしゃり」を立ち上げる運びとなりました。
ブログタイトルの由来
名前からもお分かりの通り、私が生業としている「司会」「ナレーション」に焦点を絞ったブログとなります。
後に続く「べしゃり」とは業界用語で、「喋り」のことを意味します。
本来は声で喋ること専門の私が、このブログでは文字でお伝えすることになるので、それを「文字べしゃり」と表現しました。
ブログの目的
私は北海道札幌市を拠点に、司会者兼ナレーターとして10年近く活動してきております。
喋るのは誰でもできると思われがちですが、プロとしてお金をもらっている以上、誰でもできること以上のことをできなければいけません。
と言うことでこのブログでは、プロならではの着眼点や、業界内にいないと知らない話などを紹介しますので、少しでも楽しんで頂ければ幸いです!
今後の内容
以前のブログでは「司会者のこだわり」と題して56回に渡り司会者が気を付けるべきことの話をさせていただきました。
まずはそれらの内容をブラッシュアップしつつ紹介し、ナレーションをする上で重要なこともお話ししていきたいと思います。
あ、最近はランサーズやココナラといったクラウドソーシングでたくさんナレーションをしているので、それらのタイムリーな話もできればいいですね!
それでは、今後も「司会者・ナレーターの文字べしゃり」をよろしくお願いします!